休眠預金等活用事業

【レポート】お母さん大学福岡支局 インタビューを実施しました

【レポート】お母さん大学福岡支局 インタビューを実施しました

「困難を抱える家庭を取り残さない仕組みづくり〜子ども若者とその家族のためのコレクティブインパクト〜」(2023年度通常枠事業報)の3年間の集大成として、6実行団体とちくご川コミュニティ財団が作成中の「Voice白書(仮)」。

今回、白書の作成にあたり、ちくご川コミュニティ財団のプログラムオフィサー補佐/インターン松永朋和佳がお母さん大学福岡支局代表理事の池田彩さんへインタビューを行いました。活動を通して届いた「半径1mの声」や、これまでの活動への思いについてお話を伺っています。

白書本体には一部を掲載予定ですが、こちらではインタビューレポートの全文をお届けします。

「お母さんの声が、未来をつくる。」
孤独だった一人の母親が、今多くのお母さんの「居場所」を届ける理由

公益財団法人 ちくご川コミュニティ財団

プログラムオフィサー補佐/インターン 松永朋和佳

「日本の未来をつくっているのは、お母さんなんだよ。」

この言葉との出会いが、一人のお母さんの人生を大きく変えた。

育児中のお母さんを支援する活動を続ける池田さんは、自身もかつて、慣れない土地で子育てに悩み、孤独の中にいた一人だった。

「赤ちゃんと一緒に泣いていました。」

そう振り返る当時は、知り合いもなく、相談できる人もいない毎日。SNSを開けば社会は忙しく動き続け、自分だけが取り残されたような感覚を抱えていたという。

そんなときに出会ったのが、「日本の未来をつくるのは、お母さん」という言葉だった。

「子育てって、ただ子どもを育てることじゃない。未来をつくる仕事なんだと思えたんです。」

 この経験が、「今度は自分が、お母さんたちを支える側になりたい」という現在の活動の原点になっている。

「教える」のではなく、「教えてもらう」

現在取り組んでいる活動の中心には、お母さん自身が日々感じたことを発信する「お母さん業界新聞」がある。

そこに掲載されるのは、有名人でも専門家でもない。毎日仕事へ向かい、保育園へ子どもを迎えに行き、慌ただしく夕食をつくり、寝かしつけをする——そんな、ごく普通のお母さんたちの声だ。

「私たちが伝えたいことももちろんあります。でも、それ以上に今のお母さんたちが何を感じているのかを教えてほしいんです。」

 

子育てには正解がない。

だからこそ、一人ひとりの経験や悩み、喜びを共有すること自体に大きな意味がある。

実際に新聞を読んだお母さんから、

「毎月届く新聞に励まされていました」

「同じように頑張っている人がいると思えました」

と声を掛けられることも少なくない。

 

「こうしたお母さんの声を聞くたびに、活動を続けてきてよかった、と心から思うんです」

池田さんは嬉しそうに語った。

見えない子育てを、社会へ届ける

子育て中のお母さんが抱える苦労は、周囲からはなかなか見えない。

例えば、育児休業から復職したものの、子どもの体調不良が続き、ほとんど出勤できなかったお母さん。職場へ何度も休みの連絡を入れることに申し訳なさを感じ、「もう辞めた方がいいのでは」と追い詰められてしまう人もいる。

「子どもの病気は避けられません。でも、それを知らない人から見ると、『また休んでいる』になってしまう。」

だからこそ、お母さんたちのリアルな日常を社会へ届けることが必要なのだという。子育てを経験した人も、その大変さを時間とともに忘れてしまう。

だからこそ、「今」の声を残し続けることに価値がある

子どもが親を育ててくれる

池田さんは、「子育ては親が子どもを育てるだけではない」と話す。

子どもが生まれることで、食べ物を選ぶ基準が変わり、社会制度に目を向けるようになり、これまで当たり前だと思っていた価値観が少しずつ変わっていく。

「子どもって、大人の常識を壊してくれる存在なんです。」

水たまりへ飛び込むこと。

突然歌い出すこと。

効率では測れない「今を楽しむ力」を、子どもたちは親へ教えてくれる。

「むしろ、私たちの方が育てられているのかもしれません。」

国を超えて、お母さん同士がつながる未来へ

現在は、外国にルーツを持つお母さんにも記者として参加してもらう取り組みが始まっている。文化や国は違っても、お母さんとして感じる喜びや悩みには共通する部分がある。

「いつか世界中のお母さんの記事が載る新聞をつくりたい。」

そんな夢も語ってくれた。

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「あなたは一人じゃない」

インタビューの最後に、池田さんは改めて子育て真っ最中のお母さんたちに伝えたいメッセージを語ってくれた。

「今感じていることは、とても大事なことです。」

子育てに正解はない。

悩むことも、不安になることも、迷うこともある。

それでも、その一つひとつの経験が未来をつくっている。

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「私たちは、いつでも仲間です。」

その言葉には、これまで数え切れないほどのお母さんたちと向き合ってきたからこその温かさが込められていた。

 

子どもは、家庭だけの宝物ではない。

地域の宝であり、社会全体で育てていく存在である。

そして、お母さんの声には、未来を変える力がある。

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