イベントレポート 困難を抱える子ども若者の孤立解消と育成報告会2023

イベントレポート 困難を抱える子ども若者の孤立解消と育成報告会2023

21日、久留米市内で休眠預金等活用事業(2020年度通常枠)の成果や進捗を発表する「困難を抱える子ども若者の孤立解消と育成報告会2023」を開催しました。
実行団体である「認定NPO法人わたしと僕の夢」(久留米市)、「一般社団法人みんなの家みんか」(朝倉市)と資金分配団体の一般財団法人ちくご川コミュニティ財団共催で、オンライン・会場あわせて40名の参加者の皆さまと情報共有や意見交換をしました。

本事業は「困難を抱える子ども若者の孤立解消と育成」をテーマに、3年間で総額約3,626万円を助成しています。
今回の報告会は事業スタートから2年間で見えてきた課題や成果の共有、さらに2024年3月に事業終了を迎えることを踏まえた出口戦略について各団体からお話ししました。

冒頭、休眠預金等活用事業の制度全体の管理・運営をする指定活用団体「一般財団法人日本民間公益活動連携機構(JANPIA)」より制度全体の近況、休眠預金等活用法の5年後見直しの対応方針などについて説明されました。

経済的困難な家庭やひとり親世帯の小中学生を対象に無料の学習塾や食事支援を行う「わたしと僕の夢」からは、今年の中学3年生が公立進学校や自分の得意分野を活かせる高校に相次いで合格したことを報告。塾内での絵画教室や遠方への社会体験など日頃の活動を通して、子どもたちの自己肯定感が上がっていることが紹介されました。
また、来塾する卒業生(現高校生)が1日あたり30人に上ることがあることを踏まえ、今後の課題として「塾の卒業生をどんな形でどこまでサポートするか」が挙げられました。

自然豊かな山村地域で社会的養護の子どもや児童養護施設退所後の若者たちの居場所支援を行う「みんなの家みんか」からは、関東地方から受益者が滞在した実績を発表。地域住民との交流や農作業を通して、受益者の若者たちが自分を見つめ直したり社会とのかかわりを考えるきっかけとなったことが報告されました。
さらに、2年間でみんかの交流人口がのべ5863人に上ることが紹介されました。みんかを拠点に地域の活性化につながっていることがわかりました。

ちくご川コミュニティ財団は、資金分配団体として2つの実行団体へ実施する伴走支援について報告しました。
毎月実施する面談をはじめクラウドファンディングなどの資金調達やSNSを活用した広報戦略、地域円卓会議の運営など計53項目の支援メニューでこの事業を運営しています。
2022年度は両団体への組織基盤強化を拡充しました。「わたしと僕の夢」は企業プロボノとのマッチング会を行い、経団連に加盟する5社よりマッチング希望をいただきました。「みんなの家みんか」は拠点となる地域住民の方々向けの事業報告会を開催し、子ども若者の居場所支援への理解促進につなげることができました。
伴走支援をする中で私たちが心がけている「Cool Head,Warm Heart(冷静な頭とあたたかな心)」という言葉を最後に紹介させていただきました。


最後に、本事業の評価アドバイザーである東京大学社会科学研究所准教授の中村寛樹氏は「事業がここまで進んでいることに感慨深く思う。久留米の学生たちにこの事業に関わってもらう意義がありその仕組みづくりをしたい」と述べられました。中村氏は今年4月より久留米大学教授に着任されます。

参加者の方々からも質問や感想をたくさんいただきました。
最後は「ちくごがわー!」の掛け声で集合写真をパチリ。

この報告会にご参加いただいたすべての方々、会場のサポートをいただいた「じじっか」の皆さま、会場に駆けつけていただいた中村かつき福岡県議会議員、早田耕一郎久留米市議会議員、久留米市家庭子ども相談課様、そして取材・記事掲載してくださった西日本新聞社様、ありがとうございました。


のこり1年、困難を抱える子ども若者の孤立解消と育成を目指してみんなで力を合わせて頑張ります。
引き続き応援よろしくお願いいたします。

あなたも想いと活動をつなぐ
プラットホームに参加しませんか?