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【イベントレポート】たまきちゃん白書発行&四宮淳平さん出版記念イベント

2025年8月29日、福岡市の六本松蔦屋書店にて「たまきちゃん白書発行&『「居場所」難民報道記者が見た不登校の深層―』出版ダブル記念トークイベント」(主催:ちくご川コミュニティ財団、六本松蔦屋書店/協力:学びリンク株式会社)を開催しました。
タッグを組んで歩んできた、ちくご川コミュニティ財団副理事長の庄田清人と、『「居場所」難民報道記者が見た不登校の深層―』著者で西日本新聞編集委員の四宮淳平さんが対談しました。

ご用意していた30名分のお席はほぼ満席となり、書店利用の方も会場のまわりで立ち見されるなど、たくさんの方々に関心をお寄せいただきました。
本に囲まれながら開放的な空間で、書店ならではの雰囲気を味わいながらイベントをお楽しみいただきました。

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本イベントは、ちくご川コミュニティ財団の「たまきちゃん白書〜筑後川関係地域における不登校の子どもの学びの現状と課題」発行と、西日本新聞編集委員の四宮淳平さんによる著書「『居場所』難民―報道記者が見た不登校の深層―」の出版を記念して企画しました。
いずれも8月に誕生したばかりの本です。
四宮さんの本の売上は、ちくご川コミュニティ財団が運営する「子どもの多様な学びの場を保障する基金(愛称:たまきちゃん)」に寄付されます。不登校の子どもでフリースクール等利用者を対象とした奨学金として、子どもたちに支援が届きます。

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トークイベントのはじめは、2人のこれまでの歩みを振り返ります。
ちくご川コミュニティ財団の休眠預金等活用事業(2021年度通常枠)実行団体、「認定NPO法人ESPERANZA(えすぺらんさ)」が主催する「フリースクール等の利用に対する家計支援制度を考える調査研究部会」での出会い。
2024年、西日本新聞社と協働で取り組んだ「子どもの多様な学びの場を保障するための基金」設立のクラウドファンディングと、約2ヶ月にわたる関連報道。
基金で運営するたまきちゃん奨学金の開始と、兄弟姉妹基金の位置付けである奨学金事業「生田幸平・裕子基金」の誕生。
財団の動きと報道の力がもたらした、福岡県大野城市など公的支援への波及効果。
筑後川関係地域における不登校の子どもたちや家庭を取り巻く課題と支援の現在地が可視化された、2つの本が誕生するまでのエピソードです。

▼対談する庄田清人(左)と四宮淳平さん

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四宮さんは、西日本新聞で不登校をはじめ教育分野について報道を続けてこられています。
「記者として報道するだけでいいのか」「新聞記者や不登校の子どもを持つ親としてできることは何か」という思いから、事業構想大学院大学での研究や、ちくご川コミュニティ財団への共感と協働を実践。初めて、1冊の本にまとめられました。

執筆時について振り返りながら、「追加取材でこんなエピソードを加えた」「取材後、文字にしているときに感情が出てくる。目頭が熱くなってくることもある」など、裏話を披露。「怒りや悲しみ、マイナスの感情が筆を進める原動力にもなった」と気持ちを吐露されました。
本について「もう一歩先に進みましょう、という気持ちが本を読んでくださる方に伝えられたら嬉しい」と語りました。

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トークイベント終了後は、本をご購入いただいた方への特典として四宮さんによるサイン会が行われました。
たまきちゃん白書も1部進呈させていただきました。

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ご来場いただいた皆様、六本松蔦屋書店様、学びリンク株式会社様、四宮淳平さん、そして、たまきちゃん白書の発行を支えてくださった皆様、誠にありがとうございました。

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たまきちゃん白書〜筑後川関係地域における不登校の子どもの学びの現状と課題

筑後川関係地域で不登校や多様な学びについての理解を広め、共に行動してくれる人を増やすことを目的に、ちくご川コミュニティ財団が初めて発行。
福岡県内のフリースクールとの協働事業、九州初の民間財団による不登校の子どもを対象とした「たまきちゃん奨学金」の設立、不登校の子どもを持つ26世帯へのヒアリング結果、識者寄稿など、全42ページにまとめました。

白書は自治体や教育機関への配布、白書を使った研修や啓発イベントの開催などで地域へ届けて行きます。
不登校の子どもの学びを取り巻く課題や具体的な支援の展開について知るきっかけとなり、行政による公的支援導入など、社会との対話とはたらきかけを続けて参ります。

白書の製作費の一部は、クラウドファンディングによるご寄付を活用しています。
202523月に実施した寄付募集で、目標金額を上回る総額1,160,000円を賜りました。

「居場所」難民―報道記者が見た不登校の深層―

「不登校を取材する記者」が「不登校の子を持つ親」としてたどり着いた令和型『子どもの未来のつくり方』

九州最大のブロック紙「西日本新聞」の教育担当編集委員として、長年、不登校現場を取材し続けた記者が、報道の枠を超え、不登校支援者となった。「報道だけでは変わらない」葛藤を抱きながら見つけた「報道でしか実現できない」可能性。自身の子どもが不登校となり、親として実感した当事者としての真実。長年の取材記録をもとに綴られる不登校の実態と「その後」。記者としてのキャリア、不登校の子を持つ親としての経験を糧に動き出したプロジェクトは、「報道することが具体的な課題解決につながる」という新しいジャーナリズムを生み出した。なぜ、子どもたちには「居場所」が必要なのか。本当の課題はどこにあるのか。「自分には何もできない」と思っていても、必ず一人ひとりに「役割」があると気づける一冊。どんな小さなことからでも始められる、令和型「子どもの未来のつくり方」。

出版:学びリンク 価格:税込1,760